おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
最後に皇太子が昼食会場に入り、全員がそろったことが確認されると給仕を担当している使用人が食事を運んできた。

「本日の昼食メニューは以上になります」

全員の席に昼食が置かれたことを確認した料理長は今日のメニューを全体に届くように伝えた後、給仕をした使用人とともに昼食会場を出て行った。

ここから何かあればそれぞれの使用人が対応するということになっているからである。

このようになったのは昔、あまりにも人が多く待機しすぎたために葬式のように暗い中で食事をとっていたということがあったからだった。

限られた人しか部屋の中にいないといっても誰でも自由に発言できるわけではなかった。

基本的に発言をするのは皇太子のみで皇太子から話をふられた人のみがその答えを言うために発言を許可されていた。

「今日は4名のみだがいつもと違う使用人がついているが、何か変わったことはないか?」

皇太子はクレアを含め、現在試験のためにいつもと違う使用人がついている女性たちに話を振った。

特に問題はないと答えるものやここが不満であると答える人もいて、それを聞いている受験者たちは少しだけ焦っていた。

それぞれの答えを聞き満足した皇太子はそれ以降、特に発言することなく昼食は終了した。
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