おてんば姫の手なずけ方～侯爵の手中にはまりました～
昼食が終えた後の片づけをするのは給仕をした使用人の仕事なのでメグをはじめとする遣えている使用人たちは主人とともに昼食会場を後にした。

「メグが一番優秀みたい」

部屋に戻ってきたクレアが最初に言ったことはメグをほめる言葉だった。

メグは少し頬を紅潮させながらも「そんなことはありません、クレア様のおかげです」と恥ずかしそうに答えた。

それから少し会話を交わした後、メグはティータイムの準備をするといって厨房に向かった。

休ませておいたクレープ生地を軽く混ぜた後、一枚ずつ丁寧に焼いていった。

今回はそこまで多く作る必要はなかったので焼く作業はあっという間に終了した。

次にマーマレードジャムを取り出しあらかじめ煮だしておいた紅茶の中に溶かしていった。

今回も以前作ったときと同じように紅茶の風味を利かせたクレープシュゼットを完成させた。

今回使用した茶葉はメープルの風味を利かせたものでという茶葉で少し好みは分かれるもののこのクレープシュゼットにはメープルの香りがよくあった。

完成したクレープシュゼットをきれいにお皿に盛りつけると、今回使用したメープルティーをティーポットに注ぎ、温かいうちに食べてもらえるように少し急ぎ足でクレアの部屋へと向かった。

クレアの部屋に到着するまでの間、何人かの使用人と廊下で出会ったが、皆メグが運んでいる甘く豊かな香りがするスイーツに興味津々だった。
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