おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
試験を終えたのはメグが最後だった。

既にメグ以外の受験者と皇太子、そして誰なのかはわからないが後宮で生活しているとみられる女性がひとりメグの戻りを待っていた。

「これですべての受験者がそろった。

それでは試験の結果を伝える。
合格者はリリィとメグだ。

他のふたりは残念だが試験には不合格だったので、後宮で働くことは許されない。
リリィとメグは早速ではあるが明後日から後宮で働いてもらう。

なお、メグはクレアの希望により彼女専属のパティシエとして採用することにした。
リリィに関してはほかの使用人と同様に働いてもらう。

ふたりはわかっていると思うが、後宮の使用人はやめるとき以外は後宮から出ることが許されていないので、明日のうちに家族等には別れを告げること。

メグが試験に合格したことはすでにリンネ王女には伝えてある。
明後日からは正式にサハール皇国の使用人になるから、荷物がエルディール王国にある場合は後で送ってもらうように」

合格者の名前を言い終わると皇太子は隣にいた女性をエスコートしながら部屋を後にした。
< 138 / 154 >

この作品をシェア

pagetop