おてんば姫の手なずけ方～侯爵の手中にはまりました～

「本日は急にもかかわらず、謁見の申し込みを受けてくださり、感謝いたします」

既に謁見の間で待っていた皇太子に頭を下げると、皇太子は「用件を」と言ったので頭をあげ、本題に入った。

「アッサム地域から連れてこられた女性を解放してください」

「アッサム地域から連れてこられた女性？
いったい何のことを言っているのかわからないが…」

皇太子はしらを切るつもりだと直感で理解したリンネは昨日メグからもらった紙の朗読を始めた。

「ルーシー・ミラー。
私は訳も分からずここに連れてこられました。
私には夫と子供がいます。
会いたい、会いたい…

エリス・リトール。
なぜここに連れてこられたのか分からないけれどここでの生活は最低…
女同士の争いが絶えないから気が休まる時間がない。

イリス・カペー。
私はここで生活しているほかの女性からいじめを受けています。
皇太子さまに告げ口をしたらもっとひどくなるから言えないけれど、助けてほしい…
早く帰りたい…
愛するアッサムへ。

ハンナ・フロス…」

「もうやめろ！」