おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
「失礼いたします」
リンネは応接室の扉を開け、自分のレース編みの先生を迎えに来た。
中にいたのは40代くらいの貴婦人だった。どこか高貴な雰囲気を纏い、淑女という言葉がとてもよく合う女性だった。リンネはこの人とならうまくやっていけると、その女性のもとへ歩いていった。
応接室の中に向かって数歩歩いていたリンネだったが、ある人を見つけてその場に止まってしまった。
「どうしてお前がここにいる?
お前は騎士団に渡したはずだが」
女性の近くにいたのは先程も会ったエリックだった。
まるで罪人を見るかのようにリンネのことを睨み付けていた。
「貴方こそ、どうしてここにいるの?
私は、私は…この……」
「俺は母上の警護のためにここにやって来たんだ。
急にレース編みの先生をつけろとここの王女様が言ったらしく。
それで?
お前はこのなんなんだ?」
今にもこの言い合いがもっとひどくなりそうというときに、「やめなさい!」と言ったのはずっと座っていた淑女だった。
「お初にお目にかかります、王女様。
私はシャンドン侯爵の妻、ソフィアでございます。
そして、エリックの母親にございます。
息子の非礼を変わりにお詫び申し上げます。
大変申し訳ございません」
そう言いきると、ソフィアと名乗った女性は深くお詫びをした。
状況をよく理解できていないリンネとエリックは揃って困惑していた。最初に状況を理解したのはリンネのほうだった。
「というこは、私の先生がソフィア様であり、私の婚約者が……」
リンネはどうにかこの状況を理解したのだったが、エリックはこの現実をうけいれられないようだった。
「嘘だ、嘘だ、嘘だ…
俺は信じないぞ…
この目の前にいる女が、第三王女であり俺の婚約者だと……
だってこの女は男を3人も倒してしまうような男勝りな女だぞ…
王女ともあろう女がそんなことをするはずない…
第一、この女が本当に王女なのか確証がないじゃないか?
この女は俺が名前を聞いたとき、ファーストネームを名乗らなかったし、今だって名乗っていない…
おい、お前の本当の名前はなんだ?」
自分に言い聞かせようとしているのかよくわからないが、いろいろ呟いた後に名前を聞いてきたので、リンネは本名を言うことにした。
「私の名前は…
リンネ・エトワール・スカーレット・エルディール
この国の第三王女よ。
どう?この名前を聞いても、私のことをどこの馬の骨かわからない女だと言える?」
やっぱり間違いはなかったとエリックはその場に崩れ落ちた。
「今までの無礼をお詫び申し上げます。
リンネ王女。」
エリックはリンネの手の甲に敬愛のキスをして、今までの非礼を詫びた。
リンネは応接室の扉を開け、自分のレース編みの先生を迎えに来た。
中にいたのは40代くらいの貴婦人だった。どこか高貴な雰囲気を纏い、淑女という言葉がとてもよく合う女性だった。リンネはこの人とならうまくやっていけると、その女性のもとへ歩いていった。
応接室の中に向かって数歩歩いていたリンネだったが、ある人を見つけてその場に止まってしまった。
「どうしてお前がここにいる?
お前は騎士団に渡したはずだが」
女性の近くにいたのは先程も会ったエリックだった。
まるで罪人を見るかのようにリンネのことを睨み付けていた。
「貴方こそ、どうしてここにいるの?
私は、私は…この……」
「俺は母上の警護のためにここにやって来たんだ。
急にレース編みの先生をつけろとここの王女様が言ったらしく。
それで?
お前はこのなんなんだ?」
今にもこの言い合いがもっとひどくなりそうというときに、「やめなさい!」と言ったのはずっと座っていた淑女だった。
「お初にお目にかかります、王女様。
私はシャンドン侯爵の妻、ソフィアでございます。
そして、エリックの母親にございます。
息子の非礼を変わりにお詫び申し上げます。
大変申し訳ございません」
そう言いきると、ソフィアと名乗った女性は深くお詫びをした。
状況をよく理解できていないリンネとエリックは揃って困惑していた。最初に状況を理解したのはリンネのほうだった。
「というこは、私の先生がソフィア様であり、私の婚約者が……」
リンネはどうにかこの状況を理解したのだったが、エリックはこの現実をうけいれられないようだった。
「嘘だ、嘘だ、嘘だ…
俺は信じないぞ…
この目の前にいる女が、第三王女であり俺の婚約者だと……
だってこの女は男を3人も倒してしまうような男勝りな女だぞ…
王女ともあろう女がそんなことをするはずない…
第一、この女が本当に王女なのか確証がないじゃないか?
この女は俺が名前を聞いたとき、ファーストネームを名乗らなかったし、今だって名乗っていない…
おい、お前の本当の名前はなんだ?」
自分に言い聞かせようとしているのかよくわからないが、いろいろ呟いた後に名前を聞いてきたので、リンネは本名を言うことにした。
「私の名前は…
リンネ・エトワール・スカーレット・エルディール
この国の第三王女よ。
どう?この名前を聞いても、私のことをどこの馬の骨かわからない女だと言える?」
やっぱり間違いはなかったとエリックはその場に崩れ落ちた。
「今までの無礼をお詫び申し上げます。
リンネ王女。」
エリックはリンネの手の甲に敬愛のキスをして、今までの非礼を詫びた。