おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
「よし、それではそろそろ出発するか」
ふたりはリンネの部屋を出て外に待たせてあった馬車に乗り込んだ。
その馬車を使って王宮から少し離れたところにある丘まで行き、馬を馬車から離し変わりに馬具をつけた。
御者にはいくらかの食べ物を渡して、「馬車が盗まれたりしないように見守っておいてほしい」と言伝てを残し、リンネとエリックは馬に乗って城下町へと降りていった。
「何があっても俺の側を離れるなよ。
もし、何かを見つけたときは俺も一緒に行くから必ずひとこということ」
エリックの過保護さにリンネは笑いながら「わかってる」とエリックに告げた。
それでもエリックはまだ心配をしているようで、「本当に大丈夫なのか」と呟いていた。
「ねぇ、エリック!
一度馬車に戻ってもいい?馬車の中にハンカチを忘れちゃったの…」
「別にハンカチなんて無くても大丈夫じゃないか?
こっちで買えばいいじゃないか?」
「駄目、駄目なの…
あのハンカチは私にとってとても大事なものなの…
今日のために用意したもので…」
なぜそんなにリンネが戻りたがるのかわからなかったが、必死に頼み込むので一度馬車の方へ戻ることにした。
馬車に戻ってリンネが取ったハンカチは透明の袋に入っている濃紺色に染められた糸で編まれたレースのハンカチだった。
リンネはそのハンカチを自分の懐にしまうと、笑顔で自分が乗っていた栗毛の馬を御者に渡すと、「私をエリック様の馬に乗せて?」と首をかしげながら尋ねた。
どうして自分の愛馬がいるにも関わらずその馬ではない馬にふたりで乗ろうというのかわからなかったが、別にいいか、とエリックは自分の馬にリンネが同乗すること許可した。
ふたりはリンネの部屋を出て外に待たせてあった馬車に乗り込んだ。
その馬車を使って王宮から少し離れたところにある丘まで行き、馬を馬車から離し変わりに馬具をつけた。
御者にはいくらかの食べ物を渡して、「馬車が盗まれたりしないように見守っておいてほしい」と言伝てを残し、リンネとエリックは馬に乗って城下町へと降りていった。
「何があっても俺の側を離れるなよ。
もし、何かを見つけたときは俺も一緒に行くから必ずひとこということ」
エリックの過保護さにリンネは笑いながら「わかってる」とエリックに告げた。
それでもエリックはまだ心配をしているようで、「本当に大丈夫なのか」と呟いていた。
「ねぇ、エリック!
一度馬車に戻ってもいい?馬車の中にハンカチを忘れちゃったの…」
「別にハンカチなんて無くても大丈夫じゃないか?
こっちで買えばいいじゃないか?」
「駄目、駄目なの…
あのハンカチは私にとってとても大事なものなの…
今日のために用意したもので…」
なぜそんなにリンネが戻りたがるのかわからなかったが、必死に頼み込むので一度馬車の方へ戻ることにした。
馬車に戻ってリンネが取ったハンカチは透明の袋に入っている濃紺色に染められた糸で編まれたレースのハンカチだった。
リンネはそのハンカチを自分の懐にしまうと、笑顔で自分が乗っていた栗毛の馬を御者に渡すと、「私をエリック様の馬に乗せて?」と首をかしげながら尋ねた。
どうして自分の愛馬がいるにも関わらずその馬ではない馬にふたりで乗ろうというのかわからなかったが、別にいいか、とエリックは自分の馬にリンネが同乗すること許可した。