おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
リンネが編み続けたレースはついに美しいウエディングドレスへと姿を変えた。
リンネが編み続けたレースを仕立て職人に渡してそれがやっと完成したのだった。

出来上がったウエディングドレスはエリックの寝ている部屋へと運ばれ、部屋の端に置かれた。

「エリック様、私の準備はとっくに整っております。
早く起きてくださいませ。
私は今でもエリック様のことだけをお慕いもうしております」

エリックの手を静かに握るとリンネはエリックの頬にキスをした。
頬はほのかに温かく、エリックが生きているんだということをリンネに認識させた。

その日はリンネはずっとエリックの手を握り続けていた。
日頃の疲れがたまっていたのか、気づいたらエリックの眠っているベッドに顔を押し付けて眠ってしまっていたが、それでも決して手を離さなかった。

途中で食事の用意ができたとマリアが呼びに来たものの、その呼び掛けに答えることがないくらい深く眠っていたのだった。
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