おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
「リンネ、早く見つけたいのはわかる。だが、護衛をつけないというのは許可できない。
万が一のことがあったときに、俺ひとりじゃリンネのことを守れないかもしれない。それにある程度の人数で探した方がいいと思うのだが」

もっともなことを言われてしまい、しゅんとしたリンネであったがそれを慰めるかのようにエリックは「必ず見つけ出そう、大丈夫だから」と言った。

結局この日は再度計画を詰めなおすために使うことになった。本来であればふたりだけで行きたかったのだが、そこだけはどうしてもエリックが了承してくれなかったため、騎士団から2人、エリックの護衛からひとり、護衛として連れていくことになった。

お昼過ぎ、リンネが選んだ護衛とエリックの護衛、リンネとエリック、そして二人が乗るための馬車を運転する御者がひとつの部屋に集まった。
まずは自己紹介をということで今回護衛にあたる3人がそれぞれ自己紹介をした。

「王宮騎士団第1部隊部隊長、マーク・コナーです。命にかけても王女陛下とエリック様のことをお守りいたします」

「王宮騎士団第1部隊所属、第3小隊長を務めております、ブラン・シュガールです。まだまだ未熟者ではございますが、精一杯任務をこなしていきます。
よろしくお願いいたします」

「シャンドン家で護衛をしております、パーシヴァル・ブレイクニーです。先のご無礼大変申し訳ございませんでした」

リンネは王宮騎士団の中でも特に腕がたつといわれているふたりを選び、エリックは普段自分についている護衛を選んだ。
リンネが選んだブランという男はまだ入隊してから1年足らずにも関わらず、すでに第1騎士団に配属されその中で小隊長も務めているという、騎士団期待の星だった。

合計6人という限られた人数での旅となるため、今回の旅は事前の情報収集がとても大切だった。リンネは直接現地に赴くと言っていたが、エリックがその計画を変更し先に各地に早馬を飛ばして情報が得られたところからその場所に向かうということになった。
最初はこの計画に異論を唱えていたリンネであったが、効率を考えるとこうする方がいいとエリックに長々説明され、しぶしぶ納得した。
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