おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
リンネは先ほどよりも深く頭を下げ、主人にお願いした。その姿に心を打たれて口を開いたのは主人ではなく、その息子だった。

「王女様、お顔を上げてください。父はこの辺りを取り仕切っているため、あまり大きく行動できないのです。どうか父を処罰しないでください。この私が伝達の役割を担います。父の代わりに自分、アリが話し合いの場を設けるように必ず伝えます」

「ありがとうございます。貴方みたいに勇敢な子がいて助かります」

結局、話し合いを行いたいといいに行くのは主人の息子になった。アリは話し合いの時期が迫っていることもあり、さっそく相手方に話し合いの旨を伝えに行った。

出かけてから数十分後、アリは笑顔で家に戻ってきた。二人が話し合いに応じてくれたのだ。話し合いは3日後、お昼過ぎからエメの広場で行われることになった。

話し合いの日までリンネとエリックはアッサムの人々解放に向けて最終確認に費やした。
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