おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
「エリック様、いい加減起きてください」

リンネはエリックが眠りについたのが朝方だということは知らなかったので、もうすぐお昼になるというのに一切起きてくる様子のないエリックを起こしに来たのだ。

何度か体を揺さぶった後に起きたエリックを見てリンネはあきれていた。

「エリック様、まだ問題は解決していないのですよ!
そんなに悠長に寝ていられるなんてエリック様の気が知れないです。エリック様が寝てい
る間に王都から馬車が来てアッサムの人々は皆戻ってしまいましたよ。その時にも声をかけたのに全然起きてくださらないので少し心配しました…」

「あぁ、申し訳ない…
昨日全然寝付けなくて寝たのは今日の朝方なんだ…」

あくびをかみしめながらベッドの上で手を伸ばしているエリックのそばでは屋敷の侍女によって食事の用意がされていた。

少し小さめのテーブルに用意されるのはすべて2人分用意されており、リンネもここで食事をとるということは簡単に予想できた。

食事が準備される間にエリックは身支度を整え、リンネとともに食事の席へと着いた。
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