おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
翌日、リンネは目の痛みで目を覚ました。
昨日泣いて放置した目は少し充血していて、化粧では誤魔化しきれない様子だった。

「なるべく化粧で隠せるようにはします。
しかし、目の充血に関してはどうしようもできないので、そのままになってしまいますがご了承ください。」

マリアはいつもよりも少し明るめの化粧をリンネに施し、肌の血色に関してはどうにか誤魔化した。

化粧と着替えが終わると朝食の時間となるので、リンネはマリアと一緒に自分の部屋を出た。
朝食は鼻孔をくすぐるいい香りの焼きたてパンとサラダ、スープがあったが、リンネはパンを数口とスープを少し飲むと残りは下げるように告げた。

さすがにその状況に驚いたナターシャはリンネに声をかけたが、「ただお腹がいっぱいなだけ」と言われてしまい、その後は話が続くことはなかった。

「リンネ、今日の午後にはレース編みの先生を用意できるだろう。
それまでは部屋でゆっくり休んでいなさい」

「はい、わかりました」

リンネは両親に一礼すると先に部屋を出て自分の部屋に戻っていった。
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