おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
アランの屋敷は伯爵家ということだけあってエメで滞在したところとは比にならないくらい豪華で絢爛としていた。しかし、地方の貴族として、伯爵家の屋敷と呼ぶにしては豪華すぎ、その屋敷はまるで王家所有の別荘のようであった。
昔はここまで大きな屋敷ではなかった、とこの屋敷を不審に思っていたエリックではあったが、友人の手前言動には気を付けていた。
「エリック、久しぶりだな。お前が王都に行ってから音沙汰なしだったからうまくやってるのか心配していたぞ。
隣にいるのはフィアンセか?俺にも紹介してくれよ」
なれなれしくリンネに接しようとしているアランを牽制するため、軽く咳払いをした後にエリックは口を開いた。
「アラン兄さま、どうかその口を慎んでください。
アラン兄さまは、今となってはこの地を治める領主様です。しかし私の隣にいるお方はそんな兄さまよりも尊いお方です。このお方の名前は…」
エリックはそこまで言うとリンネに目配せをして後の言葉を引き継ぐように合図した。
「私の名前はリンネ・エトワール・スカーレット・エルディール。
ここ、エルディール王国の第三王女にしてこの国の皇太子、そしてエリック様の婚約者ですわ。
以後お見知りおきを、アラン伯爵」
今着ている服装はドレスと呼ぶには簡素な服だったが、リンネはスカート部分の裾を少しつまむと足を折り、アランに向かって軽くお辞儀をした。
アランは突然の王女の登場、ましてや皇太子と名乗る女の登場に驚きを隠せなかったが、リンネの指にはめられたクリスタルアイとピジョンブラッドのついた指輪を見ると、リンネが本物の皇位継承者であるということを認めた。
「まさか、この国の皇位継承者は王女様なのですね。
国王様も酔狂なお方だ。
エリック、お前もだ。父親は家を侯爵家にしたくらいだから優れているのだろうけれど、お前は女なんかにうつつを抜かしているあほだ」
正式に皇太子として認められたとしても、まだ実績のないリンネが諸貴族に認められるのはやはり時間がかかるようだ。
現に目のまえにいるアランという伯爵は普通であればめったにお目通りすることが出来ない相手が目の前にいるというにも関わらず、悪態をついていた。
昔はここまで大きな屋敷ではなかった、とこの屋敷を不審に思っていたエリックではあったが、友人の手前言動には気を付けていた。
「エリック、久しぶりだな。お前が王都に行ってから音沙汰なしだったからうまくやってるのか心配していたぞ。
隣にいるのはフィアンセか?俺にも紹介してくれよ」
なれなれしくリンネに接しようとしているアランを牽制するため、軽く咳払いをした後にエリックは口を開いた。
「アラン兄さま、どうかその口を慎んでください。
アラン兄さまは、今となってはこの地を治める領主様です。しかし私の隣にいるお方はそんな兄さまよりも尊いお方です。このお方の名前は…」
エリックはそこまで言うとリンネに目配せをして後の言葉を引き継ぐように合図した。
「私の名前はリンネ・エトワール・スカーレット・エルディール。
ここ、エルディール王国の第三王女にしてこの国の皇太子、そしてエリック様の婚約者ですわ。
以後お見知りおきを、アラン伯爵」
今着ている服装はドレスと呼ぶには簡素な服だったが、リンネはスカート部分の裾を少しつまむと足を折り、アランに向かって軽くお辞儀をした。
アランは突然の王女の登場、ましてや皇太子と名乗る女の登場に驚きを隠せなかったが、リンネの指にはめられたクリスタルアイとピジョンブラッドのついた指輪を見ると、リンネが本物の皇位継承者であるということを認めた。
「まさか、この国の皇位継承者は王女様なのですね。
国王様も酔狂なお方だ。
エリック、お前もだ。父親は家を侯爵家にしたくらいだから優れているのだろうけれど、お前は女なんかにうつつを抜かしているあほだ」
正式に皇太子として認められたとしても、まだ実績のないリンネが諸貴族に認められるのはやはり時間がかかるようだ。
現に目のまえにいるアランという伯爵は普通であればめったにお目通りすることが出来ない相手が目の前にいるというにも関わらず、悪態をついていた。