おてんば姫の手なずけ方～侯爵の手中にはまりました～

「これで２日後には帰ることができるだろう。
これからこの領地を誰が治めるのかは決まるまではきっと王家所有の土地になると思う。

リンネ、今回は思っていた結果とは違ったかもしれないが、これもひとつの解決方法だ…

それともうひとつ。
この家はすでに当主不在だから爵位はなくなるだろう。そうすればここで働いているメイドたちは皆解雇となる。

もちろん普通は自分たちで新しい働き口を探すかするものだが、そこにいるメグというメイドは後見人がいないからここを出ていけばきっと路頭に迷うことになる。

最後にアラン兄さまから任されたことなのだが、メグをリンネのメイドとして迎え入れてはくれないか？

アラン兄さまのこの願いだけは叶えてやりたいんだ」

「ええ、メグが私の侍女になってくれるのであれば私は喜んで受け入れるわ。
だって同じ女性なのだから、苦しみはわかってあげられるはずだわ。

メグ、これからよろしくね」

リンネは立ち上がり、メグのもとへ近づくとメグに向かって手を差し伸べた。メグはその手を握り返し、「こんな私ですがどうぞよろしくお願いします」と深くお辞儀をした。

アッサムの人々が無事に戻ったという知らせはそれから３日後、早馬によってリンネたちのもとへ知らされた。