おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
馬車に揺られること1日とちょっと馬車は王都に戻ってきた。

メグは今後、王宮でリンネの専属メイドとして生活することになるので戻ってきたその日からマリアについてリンネの世話をすることになった。

リンネとエリックは今回のことのあらましを国王に報告するため、国王に謁見を申し込んでいた。

やがて謁見の許可が下りると、ふたりは正装をして謁見の間で国王が来るのを待っていた。

「今回の件、大変だったようだな」

簡単な説明を既に聞いていた国王はエリックに対して労りの言葉を告げた。

まさか、昔の遊び友達が今回糾弾するべき対象だったとは知らずに向かったエリックだったが、アランが少しでも昔のままだったので特に大きな問題にはならなかったという旨を伝えた。

「リンネ、後はひとつだけだな。
だが、サハール皇国はなにかと言い噂を聞かない…

今までで一番大変なことになるだろう。私はいつでも信じているから、自分の正しいと思ったことを貫き通してほしい。
リンネ、今となってはなんで女として生を受けたのかわからないくらい頼りになる存在になっているな」

国王は最後に笑い話を交えながら話をし、謁見の間の空気を柔らかくした。

謁見の間を後にし、次の目的地サハール皇国に行くまでの数日間はリンネをはじめとする一行の小休憩の時間だった。
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