君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
――美羽だったっけ、な。
また面倒なこと言わなきゃいいんだけど。
「まぁ、別におれたちを待ってるって訳でもないだろ。たぶん。とっとと、かえっちゃお」
「―――そう、だな」
おれの言葉に茜は少々不満げだけれども、一応頷いて。
タケはあの少女がなんなのか、分からないのが気に食わないのか、「ねぇ、あのこがどうかしたの?」としつこく茜に絡んで、茜に嫌がられていた。