君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

「いや、全然良いっスよ!謝るぐらいなら、茜さんうちに入って下さいよ。そしたら気兼ねなく歌えるじゃないですか」


「――お前もそれかよ。
 別に俺なんかが入らなくても、お前ら今まで3人でがんばってきてたんだから、このままで大丈夫だろ?」


「俺ら、今よりもっともっと、うまくなりたいんスよ。だから茜さん一緒にやりましょうよ」


 明るく慕う明弘に、茜は困った顔をして、頭をかいていた。俺が見たら困った顔ってわかるけど、明弘には不機嫌な顔って映るのかもしれないな。 

 そう思うと、少しだけ面白かった。





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