君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
店を出てすぐに、買ったばかりのネックレスを美羽は袋から取り出して身に付けて見せた。
そしてとろけそうな笑顔でおれに向かって微笑む。
「ねぇ、創、似合う?」
「―――うん。すごく似合うよ」
ほんの少しだけ暗くなってきた町は、街灯が灯されていて、そのオレンジ色がかった光に照らされた美羽の長い髪は、いつの日にか見た茜の、太陽光に照らされた金髪のように、きらきらと光り輝いて見えた。
それがまぶしくて、おれは少しだけ目を細めた。
美羽を大切にしてやりたいと思う。
幸せにしてやりたいと思う。
そして、それが、おれと茜の関係を維持させるために役立ってくれることを、おれは願っていた。