君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
「ごめん、聞いてるよ。ま、あの二人は相性がいいって言うか、似てるからね」
「そうなの? なんか意外だな」
「――美羽は、良く知らないだろうけど……、そうだな、似てるとおれは思うよ」
おれから見たら、茜は弱いところもあるけれどすごくまっすぐで、ただただ綺麗な存在だった。大切だった。
そしてそれは、タケの幼さの残るまっすぐな瞳と、似ていると思う。
「あ、茜くん、こっち見てるよ」
美羽についと袖を引っ張られて、おれはステージに顔を向けた。
その次の瞬間。