君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

 (創、好きだよ。お休み)
 
 これで、美羽からの返信は終っていた。

 嫌いじゃない。あのふわふわの笑顔も、華奢な肢体も、なにもかも。

 ただ、それは本来茜が持っていても、なんらおかしくはなかったもので。
 茜がそれを持っていたら、すべては、もっと、うまくいっていたはずで。


 ―――わかってる、これは、


「茜は、おれの、親友なんだ」


 言い聞かせるように呟いて、おれは携帯電話を閉じた。
 言い聞かせなければならない時点でおかしいことぐらい、おれにだって分かってた。 
 それでもおれは、とめられなかった。この、ぐるぐる回る渦から抜け出せないでいた。

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