君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
「創が、だなんて、もう関係ないんだ、俺にとって。
俺が、茜を幸せにする。創には、きっと出来ないよ」
美羽は、まるで哀れむかのような笑顔で俺に、「それを決めれるのは茜くんだけだよ」と、そう言った。
それはひどく冷たく、そして重く俺にのしかかった。
「あたしはただ、創のことを誤解してほしくなかっただけだよ。
それを伝えに来ただけ。おせっかいだとは思ったけど、創はきっと、きみに言い訳できないから」
それとね、と美羽は小さく微笑んだ。
俺は何も返さなかったけれど、そんなことどうでも良いように、彼女は続ける。