君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
俺を見返す茜の瞳がどんな色を写しているのか知るのが怖くて、俺は瞳を閉じた。けれど結局、俺はすぐに唇を離してためらいながらも茜を見る。
茜は、ただ無表情に俺を見下ろしていて、なのに俺が見続けていれば、微かにやさしい色を灯して笑う。
「……絶対、馬鹿だよな、タケ。何で俺なんだよ」
「……そんなの俺が知りたいよ……」
微笑もうとした自分のほうこそが泣きそうになっていることに気がついて、どうしようもないなと呆れたように思う。
「―――――茜が、創を好きだって言ってくれたらよかったのに」