君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

「でもこれ以上、茜の同意なしに何もしないようにする。だからって、そんなこと言える義理じゃないって分かってるんだけど、」

「……うん」

「だから、何の返事も、まだ俺にしないで」




「―――――分かった」

「ありがと、茜」


 瞬間、息を詰めたのが、抱きしめた身体越しに伝わってきて知る。

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