君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
これ以上、こんな方法で茜を傷つけるのだけは止めようと、俺は今やっと、思えた。
あのときの暴走は、進展とともに大きな後悔と、茜に傷をもたらしたのはきっと事実で。
分かってるんだ、女の子に戻すだなんて、きっとそんなの口実で。
それが正しいと思ってみようとしたとして、俺の心のどこかは重くのしかかるのなら、きっとそれが本当で。
分かってる。
当たり前のはずだけど。分かってた。
「―――――――ごめんね、茜」