君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

 許されないのも分かってる。それでも、俺は茜の隣に居たかった。

 だからせめてこれ以上、「好き」をゆがめないようにしないといけない。


 これで最後にしようと、祈りながら俺は茜の身体を抱く腕に力を込めた。

 戸惑うようにこわばらせた身体は、それでも徐々に力は抜けて。
 茜はため息ひとつとともに俺の身体をきゅっと抱きしめてくれた。













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