スノードロップ*01
「―もう、目覚めることはないと…考えてください。以前お話した通り、彼は余命僅かです。今は薬でなんとか持ち堪えていますが―…それすら効かなくなる日も、遠くはないでしょう」


数時間前に聞いたばかりの重い言葉が、ずっと脳内で繰り返されている。


目覚めることはない?―何から?

余命僅か?―あとどれくらい?

効かなくなる?―そしたらどうなるの?

ねぇ、 ―誰が?


…嘘。本当はわかってる。
嫌だし、信じたくないし、絶対に認めたくないけど。
…あの姿を見ていればわかる。誰が見てもわかる。



彼は私の同級生。幼なじみ。親友。大切な人。そして私の―…大好きな人。
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