スノードロップ*01
ーーあぁー。今回は、どんな風にやろうかなァ。

ある程度、形も流れも最後の詰め方も頭の中でシュミレーションしてきたから大丈夫なんだけど。
どんな感じで近づいて……まぁいっか。
今まで通り、そっと寄り添っていけば。僕にとって大事なのは、"さいご"、それだけだし。
楽しみだなァ…。


ふと我にかえれば、たくさんあった注意事項についての説明も、もう終わりに近づいている。


【ー最後に。我々にとって最大の目的であり、"使命"とは】

"使命"ねぇ…。
まぁこれがなかったらもう僕らの"存在意義"もないのと同然でしょ。


男は、ロッカーに預けていた体を起こして少しだけ声を低くして質問に答える。


「ー"人類の命を刈ること"」

サラリとそう答えれば、装置は回答の整理に時間がかかったのか少し間をおいて【大変よくできました】と機械特有の見事な棒読みっぷりで男を褒めた。
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