約束のエンゲージリング
そして頬を膨らませて答えた。
「、、そうなんです。兄が2人もいると何かと大変でっ!!まともに恋愛も出来なくて困ってるんですよ!!!彼氏が出来ても直ぐに文句とか邪魔ばっかりで、お陰でもうすぐ25歳になっちゃいますし〜!」
『えっ!?俺も!?!?それはマサだけでしょ?!?!?!』
「最後に出来た彼氏は、社会人にもなって礼儀がなってないから反対だってマサさん言ってたよ?それにその前の人だって理由も言わずにアイツは駄目だの一点張りだったし?」
『いやいやっ!!!それは千佳が男見る目、無さすぎるからでしょ?!?!』
珍しく焦ったような声を上げたマサさんが可笑しくて、本当に無自覚なんだなぁっと思わずにはいられない。
確かに彼は私を大事にしてくれる。
愛情も沢山貰ってきた。
でもその愛情が、異性に向けるモノじゃなくて家族に向けるモノだって分かってる。
だから自分のこの淡い恋心に蓋をして生きていけば、ずっと彼と居られる。
好きな人と永遠に居られるのならば、この妹というポジションだって悪くないと言い聞かせて今日も笑う。