約束のエンゲージリング
〝ありがとう、マサさん〟
そう感謝せずにはいられない。
マサさんとの楽しかった日々を思い返していると背中をつけていたドアが急にあいた。
「わっ、、!?」
「、、なんでこんな所に突っ立ってんだ。邪魔だから早く中に入れよ。」
背中を受け止めてくれたのは孝兄で呆れたような表情を浮かべながらも手にはケーキの箱を持っている。
すると玄関の音に気がついたであろう可愛い天使がパタパタと走ってくる。
「おかえりなさいっ!千佳ちゃん!それにパパっ!!」
いつかのデジャヴのように胸に嬉しそうに飛び込んできた天使を受け止める。
「ただいまっ!由羅ちゃん!!」
「えへへっ!ずっと待ってたんだよ?ママも由羅も待ちくたびれちゃったぁ。千佳ちゃんのお誕生日会ね、2人で準備して待ってたんだから!!」
「本当?嬉しいなぁ〜!!沙羅姉の事だから今日は、、ご馳走かなっ?」
「そうだよっ!!ママね、ご馳走い〜〜っぱい作って待ってるから早く行こ!」
手を引かれて入ったリビングは色とりどりの折り紙で飾り付けられていて、胸が温かくなった。