約束のエンゲージリング
episode5
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「いらっしゃいませ。お決まりですか?」
「あ、はい!このオレンジの花は何という花ですか?いつも可愛いなって思ってたんだけど名前が分からなくて。」
「そちらはサンダーソニアという名前です。とっても可愛いですよね。私も好きな花なんですっ。風で揺れると音がなりそうな形ですよね。ちなみに花言葉は幸福な音色です。」
「へぇー!花言葉もいいですね。じゃあコレを下さい。母が明日退院してくるんです。だから殺風景な玄関に花でもって。」
「素敵ですねっ!きっとお母様も喜ばれますね。最近よく買いに来て下さってましたよね?もしかしてずっと入院中のお母様に?」
少し照れた表情をしながらもその男性は頷いた。
それが何だか微笑ましくて、笑って声を掛ける。
「それではご自宅用ですね?只今ご準備致します。」
ストッカーからサンダーソニアを取り、丁寧に包んでいく。
作業場の方をチラリと見ると、彼が真剣にアレンジメントを作っていた。
彼に振られてから一週間が経った。
昔と比べれば少しきごちないが、普通に過ごせていると思う。
でも過保護なのは相変わらずで、、、。