約束のエンゲージリング
だが、そろそろ本気で千佳の引っ越し先を探さないといけない。
あまり千佳を待たせると痺れを切らして自らアパートを契約してきそうだ。
それでも引っ越し先を探さないのは、まだ〝可能性〟を捨てきれないから。
千佳の事だ。
事前にマサに引っ越しの件を話すだろう。
そしたらきっとマサは、、、、。
そう、、マサの事を考えいるとチャイムが鳴った。
ドアホンを除いた沙羅が呟く。
「あれ、、マサくん?こんな時間にどうしたのかな。孝、もしかして何か約束してた?」
「いや、でもそろそろだろうと思ってた。」
「ん?そうなの?じゃあリビングにお招きするね〜〜。」
首を傾げながら、玄関へ向かった沙羅。
そして直ぐにマサを連れてリビングへ戻ってきた。
「孝〜マサくんが来たよ〜〜、、?」
その声に振り向くと予想していた通りの表情を浮かべたマサが居た。
『遅い時間にごめん。今、時間ある?』
「あぁ、大丈夫だ。沙羅、、コーヒーを頼めるか?」
「う、うん、、ちょっと待っててね、、?」
初めてみるであろうマサのドス黒いオーラにオドオドとした様子の沙羅。
だが俺は待っていた。
絶対、マサは来ると。
望んでいた結果に満足して口角を上げる。