約束のエンゲージリング
マサが出て行った玄関を見つめていると後ろに気配を感じて振り返ると俯いた愛しい彼女の姿。
「孝、、、やっぱり私旅行には賛成できないよ。」
ポツリと本音を漏らして不安そうな表情でこちらを見上げた彼女を優しく引き寄せる。
そして労わるように声を掛けた。
「いくら歳が離れてるからって男女2人きりで一晩過ごさせる事に沙羅が心配なのは分かる。でもこれは〝賭け〟でもある。」
「、、賭けってなんの!?孝は千佳が大事じゃないのっ、、?!孝が何を考えてるのか分かんないよっ!!只でさえ、マサくんのことで物凄く傷ついて、、それでも立ち直ろうって頑張ってるのに、、。こんなのあんまりだよ!!!これで何かあったら今度こそ立ち直れなくなっちゃうっ、、!」
「大事だから、、だ。2人ならきっと大丈夫だ。だから2人を見守ってやってくれないか?沙羅、俺を信じて欲しい。」
悲痛な声を上げる沙羅に視線を合わせて声をかけるが、黙り込んでまた俯いてしまった沙羅。
そんな沙羅を力一杯抱きしめる。
「っ、、分かった。孝を信じるよ。これが2人の為になるんだよね、、、?」
「あぁ、、きっとな。」