約束のエンゲージリング
ぼんやりしていると気づけば彼が迎えるに来る時間が迫っていて、慌てて準備を始めた。
車で行っても少し距離があるらしく、早朝からの出発だ。
朝ごはんは向かう途中で食べると言っていたので朝からシャワーを軽く浴びて身なりを整えた。
いつもくしを通して結ぶだけの髪もコテで巻いて下ろした。
服装も女性らしさを意識した。
スカートなんてあの日以来だけど、今日の髪型には似合っている気がして鏡の前で力強く頷く。
「、、うん。良い感じ。」
あとは彼が来るのを待つだけだ。
待ち時間が落ち着かなくてコーヒーでも飲もうかとキッチンに向かうとチャイムが鳴った。
戸締りと火の確認をしてからリビングに準備しておいた大きめのバッグを持って玄関のドアを開けた。
『おはよう。少し早く来ちゃったけど準備出来てる?』
「ま、マサ兄おはよう!いつでも行けるよ?」
『良かった。じゃあ荷物は車のトランクに入れるから預かるよ。戸締りは大丈夫?』
「っ、、大丈夫っ。」
久しぶりに見る私服姿の彼に胸がときめいて咄嗟に目をそらす。
本当に心臓に悪い。
彼の着ている服はあの日に私が選んだ服でそのまま着て行ったものじゃない服。