約束のエンゲージリング
だから着ている姿を見るのは初めて。
想像通り彼に似合っていて、それを着てくれているのが嬉しくて頬が緩む。
『、、ん?どうした?もしかして体調悪い?』
私の態度を変に思ったのか、心配そうに顔を覗き込んできた彼から逃げるように距離を取った。
「体調はバッチリだよ!仕事以外でこんな朝から出かける事ないから少し眠いだけっ!!そんな事よりもう行こう?運転はマサ兄だけだと大変だから交代しながら行こうねっ!」
『何言ってるの。運転は男の仕事だよ。千佳は眠かったら遠慮なく寝てていいからね?じゃあ行くよ。はい、助手席乗って〜〜。』
グイグイと助手席の方に背中を押されて、少し強引に助手席に座らされた。
強引な彼に驚いていると運転席に乗った彼が優しく微笑んでこちらに手を伸ばした。
『、、朝まだ少し冷える季節だからこの肘掛け使って?途中、寄りたいとこがあったら遠慮なくいいなよ。朝食は朝から営業してるカフェでモーニングでも食べよう。』
「ありがと、、。」
そのスマートな女性への気配りにドキッとしながらも、これは慣れてるなと思ってしまう。