約束のエンゲージリング
彼にとって私が妹だからかもしれないが、それが〝彼の特別〟な気がして前に進もうとしているのに完全には想いを断ち切れずにいる。
本当、、諦めの悪い女だ。
でもこうなってしまったのは全て彼の所為だ。
もっと突き放してくれたらいいのに。
迷惑だって冷たくあしらってくれたら諦めもつくのに、、。
運転する彼の横顔をボンヤリと眺めていると私の視線に気づいた彼が優しく目を細めた。
『、、ん?眠たい?座席倒そうか?その方がゆっくり眠れるでしょ。』
そう言って頭を優しく撫でてから膝掛けを肩まで掛けてくれる。
ほら、そうやって私には特別に甘い。
これで勘違いするなって、好きになるなっていうのが無理だ。
だって私達、本当の兄妹じゃないんだよ?
15歳離れているからって異性なんだよ?
私はずっと異性として見てきたんだよ。
マサさんは本当に分かってる?
「、、ううん。ちょっとボンヤリしてただけで眠くはないよ。ありがと。マサ兄こそ、早朝の運転辛くない、、?」
『運転するは好きだからね。全然辛くないよ。それよりそろそろお腹空かない?休憩がてら朝食でも食べよう。』
「うん。」