約束のエンゲージリング
旅館の中もとっても素敵で恋人同士でこれたら最高だろうなと思わずにはいられない。
「、、素敵な旅館だね。孝兄達、残念だったね。沙羅姉も楽しみにしてただろうにね〜。」
『そうだね。あ、因みに今日の予約はそのまま〝岩田〟のままにしてて夫婦って設定になってるから、合わせておいてね?一緒に来る予定だった幼児は急な発熱って事になってるから。』
「えっ!?!?そんなの聞いてないよっ、、!?」
『孝が面倒だからって変更の連絡入れてくれなかったんだよ。俺も昨日聞いてね、、。てっきり変更の連絡入れてくれてると思ってたから。でも大丈夫。大人2名なのは変わらないし、これといって支障はない筈だから。』
驚いて声を上げてしまった私を笑顔でなだめる。
支障ないって、、確かに人数は同じかもしれないけど夫婦か兄妹かでは旅館のスタッフさんの対応が違う気がする。
でもここで騒げば、旅館にも彼にも迷惑を掛けてしまう。
そう思って静かに頷いた。
彼はそれを確認してから私の手を引いて受付へと足を向けた。
「旅館暁にようこそお越しくださいました。」
『予約していました岩田です。』
「はい、岩田様ですね?本日はありがとうございます。御予約、承っております。お部屋までご案内致しますのでこちらにご記入下さいませ。」