約束のエンゲージリング
あんなにキッパリ振られたというのに、、。
本当に未練がましい。
独りで部屋に居てもむしゃくしゃするばかりなのでもう一層の事寝てしまおうかと時計を確認したが、寝るにはまだ早い時刻だ。
そこで飲み比べしようと思って冷蔵庫に冷やしていたお酒を取り出してテーブルに並べた。
「ミニボトルだけど結構いっぱい買ったな〜。どうせ時間も持て余してるんだからゆっくり飲み比べでもしよーっと。」
お酒は弱くはないと自負していたが、ここまでの種類と量を飲んだのは初めてだった。
お風呂上がりに火照った身体には冷えたアルコールが身体中に澄み渡る。
気づけば意識がボンヤリとしてきて、身体中がフワフワして気持ちがいい。
目を瞑ればそのまま何処かに飛んでいけるような気さえしてきた。
「あぁ〜〜このままマサさんが居ない、何処か遠ぉ〜くの街にでも行きたいなぁ〜。そしたらきっと忘れられるのになぁ〜〜〜〜、、、。」
そんな独り言を呟いていた時には既に酔いが回っていて通常の思考じゃなくなっていた。
だからその後の記憶はなくて、記憶がハッキリとしたのは次の朝だった。