約束のエンゲージリング
それでも伝えなきゃいけない。
こんな事を望んだんじゃない。
歯を食いしばり声の震えを無理やり止めて、勢いよく立ち上がり声を上げた。
「っそんな悲しい嘘なんてつかないでっ、、!これ以上幻滅させないでよっ!!!マサさんなんて大っ嫌っ、、、!?」
最後まで言い終える前に口を塞がれた。
それはキスという形で。
「んんっ、、!やめっ、、っ、、!」
必死に顔を振って抵抗してみるが力が強すぎるてビクともしない。
長過ぎるキスに全身が痺れて全身の力が抜けていく。
ガクッと足から崩れそうになった瞬間、唇が離れまた力強く抱きしめられた。
『その言葉、千佳の口からは二度と聞きたくないんだよね。突然の事で千佳が信じられないのも分かる。今まで散々遠ざけてきておいてこんな事、ムシが良過ぎるから。、、でも千佳への想いは本物だ。』
「っ、、さっきから何言ってるの、、、?本物だなんて、、信じられる訳ないじゃん!!!!急に私の事を好きだなんてあり得ないでしょっ、、!?」
彼の言葉も行動も信じられなくて、彼の胸板を力一杯叩く。