約束のエンゲージリング


唇が離れ、そっと目を開けると更に甘さを含んだ彼の瞳と目が合う。


すると途端に全身に熱を持つ。




こんな事初めてで、身体の奥から湧き上がる熱情が抑えられない。

短いキスでは物足りなくてもっと彼を感じたいと、はしたない事を思ってしまう。







勇気を出しておずおずと彼の服に手を伸ばすと、それに気付いた彼は勢い良く視線を逸らした。


やっぱりはしたないと思われたのだと、落ち込んで手を引っ込めるとその手を追いかけるように強く握ってベットにそっと押し倒された。







『、、確かに遠慮しないとは言ったけど、昨日の今日で無理はさせたくない。だからそんな煽るような顔しないで?我慢が効かなくなるでしょ、、。取り敢えずチェックアウトまであと少し時間があるから千佳は身体を休めておいて。俺は汗を流しに部屋の露天風呂でも入ってくる。』

「、、うん。」







布団を胸まで掛けると頭を撫でてからベットを離れて行く彼。

横になったままそんな彼を見送っていると振り返り、いたずらに笑った。













『それとも、、一緒に入る?』

「えっ、、?!い、いい!!!ここで待ってる!!!!!」





慌てふためく私を横目に、彼は楽しそうに露天風呂へと向かっていった。


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