約束のエンゲージリング


だから好きな花に囲まれて、お客様の笑顔と彼の優しい笑顔が一度に見れるここはまさに天国。

毎日が楽しくて仕方ないのだ。




笑顔で男性に声を掛けると男性も嬉しそうに答えてくれる。









「お使いになる日にいつですか?」

「今週末の土曜です。今度チームメンバーに還暦を迎える方がいて、その方はみんなお世話になった大ベテランなので花束を送ることにしたんですよ。」

「それは素敵ですねっ!では還暦のカラーは赤なので赤色を中心にお作りしますね。ご予算はおいくらでお考えですか?」

「5000円くらいかな。豪華に出来ますか?」

「花材の指定が無く、お任せで宜しければ十分できますよ。あげられる方は女性ですか?男性ですか?」

「それはもちろん!!センスのいい岩田さんにお任せでっ!性別は男ですね。」

「ふふっ。分かりました。では今週末の土曜日に男性お任せ還暦用花束5000円承りました。お作りしてお待ちしております。えっと、、。」

「あ!俺、河村です。これ名刺です!!」








何度か注文に来てくれた男性の名前が初めて判明し、しかも名刺をよく見ると近所にそびえ立つビルの会社だった。


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