約束のエンゲージリング
その言葉にはどこか威圧感があって、笑顔だからかより一層怖く感じる。
男性も彼の言葉と表情に青ざめながら直ぐに名刺を引っ込める。
「そ、そうだったんですねっ、、!すみません!!!皆んなにはちゃんと適正して伝えておきますので、、っ!」
『そうして頂けると助かります。これに懲りずに今後もご利用お待ちしております。』
目を細め、笑顔で深々と頭を下げた彼。
彼の優メンすまいるは老若男女に効果があるらしく花束を注文にきた男性も理不尽な事を言われているにも関わらず、ヘラヘラとした笑顔で大きく頷きご機嫌で店内を出て行った。
『ありがとうございました〜。』
「ありがとうございました。」
まぁ、、みんなhappyならそれでいいんだけどもと思いながら出入り口をボンヤリ眺めているとまた違う男性客が来店する。
慌てて声を掛けようとすると作業場の方へと背中を押された。
押したのは勿論。
『、、岩田さんは明日のホテル届けのテーブル花16個、作ってもらえる?ここは俺が対応するから。』
「え、、う、うん。分かった。じゃあ何かあったら呼んでね?電話は裏で取るから気にせず接客に専念してね。」
『ありがとう。助かるよ。』