約束のエンゲージリング
次の言葉が出てこなくて黙り込んでいると、掴まれていた手首が痛いほどに引かれて引きずられるように奥のベットへと連れて行かれる。
そして乱暴にベットへと押し倒される。
『、、好きだから、、本当に千佳の事が大事だからだって、、、分からない?』
苦しそうに表情を歪める彼が乱暴にキスを落とす。
強引に口の中に舌がねじ込まれ、普段のキスとは違うその乱暴さに恐怖さえ感じた。
頭の上でガッチリと掴まれた両手首はピクリとも動かす事は出来ず、初めてみる欲情に塗れたオトコの顔をした彼の瞳に囚われてる。
必死に空気を吸おうと口を開けるが隙間なく唇を覆われて、呼吸さえままならない。
恐怖を感じる程の激しい彼のキスに次第に身体が痺れ、力が入らない。
酸欠を起こし、視界が歪んで意識が遠のきそうになった頃ようやく唇は離れ酸素を手に入れた。
肩で息をするように酸素を求める。
そんな私の様子を息切れ1つせず、見下ろす彼が小さく呟く。
『千佳を妹だと思った事、、一度もない。だから今まで同じアパートでも部屋に上げなかったし、上がらなかった。触れたいって思う衝動を必死に抑えてたから。』
「そんな素振り、一度も、、。」