約束のエンゲージリング
驚きのカミングアウトに頭がついていかない。
だって今までずっと〝千佳は妹だ〟って言われ続けてきたのに真反対の言葉に戸惑う事しか出来ない。
『見せないようにしてたから。千佳が俺を慕ってくれてたのは知ってたし、それが兄に向けるものだと思ってたから。でも本気で俺を男だと意識してくれてるって分かって柄にもなく舞い上がってるんだ。俺も男だから、好きな子と同じ部屋で一晩過ごして何もしないっていう保証は出来ない。、、千佳は引越しで疲れてるだろうから一応、遠慮したつもりだったんだけど、、それが千佳を不安にさせたなら要らない遠慮だったね。』
ようやくいつものように優しく笑ってくれた彼がキツく抱きしめて耳元で囁いた。
『千佳に触れても、、抱いてもいい?』
真っ直ぐに見つめられて求められて、嬉しく無いはずがない。
ストレートに言われ、少し恥ずかしさはあるものの自然と言葉が出てくる。
「うん、、。その、、この前の夜の事覚えてなくて、ハジメテみたいなものだしっ、、上手く出来ないからマサさんの事、満足させられないかもしれないけど、、私もマサさんに触れたい、、。』