約束のエンゲージリング


『俺はこうやって千佳に触れるだけで満たされるから。だから、、俺に身を委ねて。』









真っ直ぐ見つめ返して小さく頷くとそれが合図のように彼の手が直に優しく触れる。

彼の大きな手に指先に触れらた部分は火傷しそうで内側から込み上げてくるハジメテの感覚に震える。




少し息遣いの荒い彼が、余裕がなさそうにTシャツを脱ぐ姿があまりにも妖艶で咄嗟に目を逸らすがそれに気づいた彼が甘く呟く。









『千佳、目を逸らさないで。ちゃんと俺を見てて。』




静まり返る部屋に大好きな彼の声が耳に響いて、その声に引き寄せられるように視線を向けると40前だとは思えないほど引き締まった上半身を露わにした私の知らない顔をしている彼の姿。

初めて見るその表情に全身がゾクゾクと震え上り、彼の姿を見て自分が欲情しているのが分かる。







きっと今、はしたない表情をしてる。





そんな自分を見られなくないのに彼から目を逸らせない。

目が合うと彼も自分と同じ表情をしていて、それが嬉しくて想いが溢れる。

自ら手を伸ばして彼の頬に触れる。











「マサさん、、好き。」

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