約束のエンゲージリング
私の言葉に目を見開いた彼は、切なそうに伸ばした私の手を強く掴んでその手にキスを落とす。
『そういう事言わないで。大事な時に離してあげられなくなるでしょ、、。』
「離さないで、、マサさん。私をずっと離さないでよ、、ずっと側にいて、、?」
〝いずれ終わりが来る〟かのような彼の言葉に思わず涙が溢れる。
先の事なんて分からない。
でも私はずっと彼の側に居たい。
彼もそう思ってくれてるならいいのに、黙り込んだまま決して頷いてはくれない。
『、、ごめんね。』
長い沈黙の後、聞こえるか聞こえないかくらいの泣きそうな声で放った小さな呟き。
その謝罪が何に対してのものかは分からなかったけど、これ以上彼を悲しませたくなくて聞こえなかったフリをした。
「マサさん、、?」
握られていない方の手も彼に手を伸ばすと、そちらも絡みとるように握りしめられて優しくキスを落としてくれる。
触れるだけのキスは徐々に激しさを増し、唇から離れ身体中に降り注ぐ。
彼の指先に全身溶かされて、何も考えられない。