約束のエンゲージリング
随分と長い間、彼の指先に翻弄されていよいよ彼と繋がろうとするが気持ちは裏腹に緊張して体が震える。
そんな私の震えに気づいた彼が目を細め、優しく私の頬を撫でる。
『千佳が怖いなら、、止める?』
頬を優しく触れる大きな手に両手を重ねて、必死に顔を左右に振る。
すると少し安堵した表情を浮かべる彼。
『、、良かった。止めるって言われてももう無理だったから。出来るだけ負担が掛からないようにするから。でも、もし痛みを感じたら直ぐに言って?』
そう言ってゆっくりと彼が私の中に入ってくる。
痛みを覚悟したが痛みは一切なく、あったのは心が満たされる幸福感。
キツく抱きしめられて身体が隙間なく彼と密着して素肌が触れ合えば、その温かさに涙がこぼれた。
ハジメテの筈なのに、この幸せな感覚を身体が全身で覚えている。
ゆっくりと遠慮気味に動いていた彼だったが、私が痛みを感じていないと分かると徐々に律動が早くなる。
その度に甘い声が漏れて、それが自分じゃないみたいで必死に口を閉じる。
そのせいで上手く酸素を取り入れる事が出来ずに、酸欠を起こしそうになる。