約束のエンゲージリング
すると激しいキスが降ってきて、口を無理矢理開けさせられる。
『千佳、声は殺さないで。ちゃんと聞かせて、、?、、俺の名前呼んでよ、、。』
切なく揺れる彼の瞳と目が合えば、固く閉じていた口も自然と開き彼の名前を呼ばずにはいられない。
「マ、、サさんっ、んんっ、、!」
彼の名前を口した途端、大きく身体を揺さぶられ視界が揺らぐ。
普段穏やかな彼からこんな激しい程の感情をぶつけられたのは初めてで、何よりも求められるのが嬉しくて私も必死で彼を求めた。
どのくらいそうしていたのか分からないが、彼が果てしまっても素肌のまま抱き合っていた。
お互いの身体は湿っていて普段だったら気持ち悪いと感じてしまう汗も、どこか心地良くてこのままシャワーも浴びずに眠ってしまいそうだ。
『、、千佳?どこか痛い所はない?水飲む?』
キツく抱きしめられたまま彼の優しい声がして、気怠さと微睡みの中答えた。
「ううん、大丈夫。それよりもこのままがいい、、。今、凄く幸せな気持ちだから。」
『うん、、そうだね。今日はこのまま眠ろう。、、、俺は千佳以上に幸せな気持ちだけどね。』
遠のく意識の中、最後の方に言った言葉はよく聞こえなかったけど彼と幸せに包まれて眠りについたのだった。