約束のエンゲージリング
何気なく放った私の言葉に女性は戸惑いを見せ、悲しそうに遠慮気味に呟いた。
「、、店長さんは元気?もうすぐ40くらいになると思うけどさすがに結婚とかってしてる、、よね?」
「え?店長ですか?いえ、未だに独身ですよ。それが何か、、、?」
彼が独身と聞くと、驚きの表情を見せその後に切なそうに目を伏せた。
彼女の反応を見る限り、知り合いなのは間違いなさそうだ。
どうしてだろう、、。
ザワザワと胸騒ぎがする。
「あ、ごめんなさい。変な事を聞いてしまって。明日お友達が部屋に遊びに来るからリビングに飾る花を頂けますか?スタッフさん、センスがとてもいいからお任せでっ!」
先程の表情は見間違えだったのかと思うほどに明るく笑いながら注文をする女性に疑問に思いながらも花のストッカーを開け、彼女に似合いそうな花を見繕う。
丸っこい大輪のダリアとダリアの間にユーカリをそれにかすみ草をバランスよく束ねる。
「このような感じでいかがですか?」
「わっ!可愛い!!素敵です!!!こんな素敵な花を部屋に飾ったら、一気に部屋が華やかになりますね!」
「気に入って頂けて良かったです。では簡単にお包み致しますので少々お待ち下さい。」