約束のエンゲージリング
呆れた様子で呟く孝に弁明する。
『いや、千佳は悪くないんだ。俺が彼女に抱きつかれて振り払えなかったから、、。千佳は丁度そのタイミングで配達から帰ってきて、目が合った瞬間走り出して出て行ったから、、相当傷つけたと思う。』
「っ、、、それは傷つくよっ!!!そんな所見せられたら誰だって逃げ出すよ!!しかも相手はあの人でしょ!?マサ君には悪いけど私、、千佳にあの人の事話してたの。あの人ってマサ君にとって忘れられない人でしょう、、?あの人との事があったからマサくんは誰とも付き合わないし恋人も作らないんだって。」
「まぁ、、忘れられない人間ではあるだろうが、沙羅は少し捉えた方が違うな。」
「え、、?そうじゃないの、、、?」
「、、話が長くなりそうだな。沙羅、今日親御さんは? 」
「あ、大丈夫だと思う。お泊り出来るか聞いてみるからちょっと待ってて。」
沙羅ちゃんは何処かへ素早く電話を掛け、由羅ちゃんを手招きする。
電話が終わると優しく頭を撫でた。
「由羅?今日はじいちゃんとばあちゃんちにお泊りに行こうか?」
「え?!お泊りっ!?行く行く〜っ!!」
急いで荷物を準備していると直ぐにチャイムがなり、手を振ってリビングから嬉しそうに由羅ちゃんが出て行った。