約束のエンゲージリング


涙を浮かべながら悲痛な声を上げる沙羅ちゃん。

すると孝がそんな沙羅ちゃんを落ち着かせるように背中を優しくさする。






「落ち着け沙羅。、、、逆だ。」

「逆って、、?どういう?」

「千佳に似てたから恋人になった。俺だって初めて紹介された時は驚いた。あの人、何処と無くお袋に似てて他人とは思えないくらいだったからな。あいつが、、千佳が成長した姿を見たような気がした。」

「ちょっと待ってよっ、、?意味が分かんないよ。だってそれだとまるでマサくんが千佳の事っ、、っ、、。マサくんがあの人と付き合い出した時って千佳ってまだ9歳、、とかじゃあ、、。」









混乱したように言葉を詰まらせる沙羅ちゃんに覚悟を決めて真実を伝える。




『ずっと千佳を想ってた。いつからかなんて正直覚えてないけど千佳が生まれて来てくれたあの日から千佳は俺にとって大事な女の子だったよ。15歳も歳の離れた親友の妹を好きだなんて可笑しいって自分が一番分かってた。普通の人なら気持ち悪いって感じると思う。だから今まで隠してきた。他の人に目を向けようってしてた時期もあるけどやっぱり駄目でそんな時、あの人に出会ったんだ。』





口を手で押さえて絶句している沙羅ちゃんを他所に話を続ける。


『長く関係を続けているうちに薄々誰かの身代わりにされていると彼女は気づいてたんだ。それで真実を知るためにあんな事をしたんだと思う。』


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