約束のエンゲージリング
沙羅姉の目からとうとう涙がこぼれ落ちて、それと同時にキツく抱き寄せられた。
「っっ、、本当、、マサくんは馬鹿だね。こんなにも優しくて若くて綺麗で可愛いくて素直で真っ直ぐで純粋な子から想いを寄せられてるのに、、本当に大馬鹿者だっ、、!」
「ふふ、沙羅姉ってば良く言い過ぎ。」
「千佳こそ、自己評価低すぎ!!あそこの花屋にはとびきり綺麗な子がいるってこの辺じゃ有名なんだからっ!!!この前だって隣のアパートに越してきた若い男の子が真っ赤な顔で千佳の事見てたし!向かいの佐藤さんがうちの息子にどうかって孝に声掛けてたし!!!千佳ってばモテるのに自覚ないから!」
「全然モテないよ。私の事見てたとかそんなの気のせいでしょ。向かいの佐藤さんだってお世辞だよ。」
ムキになる沙羅姉がなんだか可笑しくて、つい吹き出してしまうとそれに釣られて沙羅姉も吹き出した。
「ありがと、沙羅姉!なんか背中押してもらったらマサさんにぶつかる勇気湧いてきたよ!!当たって砕けてくるから、その時はまた今日みたいに力一杯抱きしめて、、?そしたらきっと前に進める気がするから。」
「うん!うんっ、、!!!その時は骨が折れるくらい抱きしめるから覚悟しておいてよね!?!?」